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口コミ予測と選挙結果のまとめ
はじめに
 

 先日行われた第22回参議院選挙において、クチコミ@参院選ではネットの口コミから、各選挙区の当選者および比例代表の各政党の議席数を予想しました。

 6月24日の公示日からはじまり、計3度の予想を公開・更新していました。 投票日翌日の 7月12日に開票結果との比較を公開しましたが、今回はもう一歩踏み込んで結果をみてみたいと思います。

結果概要
 

 7月9日時点の予想(7月8日までの口コミを元にした予想)と参院選の開票結果は、全121議席中74議席が的中し、的中率は61.1%でした。

 選挙区では全73議席中38議席が的中(52.1%)、比例代表では全48議席中36議席(75%)を的中させました。公開当初から、民主党優位の予想をしていましたが、民主党に吹いた逆風を上手くとらえるとこが出来ずに、前回の衆議院総選挙の80.33%から大きく的中率を下げる結果になりました。

※開票日の結果発表では、72議席的中としていましたが、混戦判定で的中させた2議席が集計から漏れていたので追加・修正しました。

区分 自民 民主 社民 公明 共産 国民新 みんなの党 たちあがれ日本 新党改革 諸・無 混戦
選挙区 11(+1)※ 60 0 0 0 0(+1)※ 0 0 0 0 2(-2)※
選挙区結果 39 28 0 3 0 0 3 0 0 0
比例代表 11 25 2 1 1 2 3 2 1 0  - 
比例区結果 12 16 2 6 3 0 7 1 1 0

※混戦の候補を当選と予想

選挙区、定数別の的中率
 

 今回の民主党の苦戦、自民党の躍進は、1人区の選挙区で民主党が8勝21敗と大幅負け越したためです。

 選挙予想の的中も1人区では9勝20敗と大幅に負け越し、全体の的中率を押し下げました。

 都市部での的中率は地方ほどは悪くなっていません。

表2.選挙区の定数別的中率

定数 選挙区 的中 失敗 定数計 的中率
1人区 29 9 20 29 31%
2人区 12 14 10 24 58.3%
3人区 3 11 4 15 73.3%
5人区 1 4 1 5 80%

 得票数全体でみれば民主党が最も多く、口コミ数との相関も選挙区で0.95,比例で0.93と強いことが分かります。

 地方の選挙を自民党が上手く戦ったこと。都市部と地方での一票の格差を捉えきれず、口コミの量に勝る都市部の声に予想が引っ張られてしまっていた形になりました。

表3.各政党の総得票数

総得票数 自民 民主 社民 公明 共産 国民新 みんなの党 たちあがれ日本 新党改革 口コミとの相関
選挙区 19,496,083 22,755,999 602,684 2,265,818 4,256,400 167,555 5,977,390 328,475 625,431 0.95
比例 14,071,671 18,450,140 2,242,736 7,639,433 3,563,557 1,000,036 7,943,650 1,232,207 1,172,395 0.93
口コミ数 27,071 50,880 4,798 6,708 7,798 6,171 10,297 4,572 2,427 --

選挙区の総得票数と口コミ数の相関 比例代表の得票数と口コミ数の相関

新聞社の調査は今回もやっぱり凄かった
 

 新聞各社の選挙区ごとの情勢調査は選挙終盤に出てきました。菅内閣発足直後から内閣支持率が大きく変わる情勢の中、各新聞社とも、予測が難しかったと聞いています。

終わってみると各社95%近くの的中率は流石と言えます。そんな中で各社とも予測を外したのが、神奈川の千葉元法相の落選でした。

表4.3社の予想・調査結果比較

実施主体 予想 的中 失敗 混戦 的中率
クチコミ@参院選 71 36 33 2 50.7%
朝日新聞社 55 52 3 18 94.5%
読売新聞社 44 43 1 29 97.7%
日経新聞社 58 56 2 15 96.6%
予測アルゴリズムを開発した研究者のコメント
 

東京大学大学院 工学系研究科 総合研究機構 研究員 末並 晃氏

 口コミ数の多さから民主党の大勝を予想したものの、結果は惨敗。野党が大勝し、再びねじれ国会となる結果となりました。 ここでは昨年の総選挙との選挙制度の違いや今回の選挙での政局の動きに着目しながら考察していきたいと思います。


新政権の支持率急降下

予想に用いる口コミ数は投票日の1ヶ月前からの累計を用います。今回であれば、6月11日が基準日にあたり、まさに菅政権が発足した直後になります。 新政権発足による民主党へのクチコミは多く、それが予想結果に与えた影響は大きいといえます。 しかしながら、当初高い水準であった支持率も消費税増税発言等の影響で下降し始め、選挙直前には50%を切る水準になりました。 選挙直前の新政権発足とその後の支持率の急落という今回の選挙の特殊性は、リアルタイム性の高いクチコミ情報でも完全には捉え切れなかったといえます。

中選挙区制

総選挙と違い、参議院選挙では一つの選挙区から複数人が選出される選挙区があり、そのような選挙区では同一政党が複数の候補者を擁立することがあります。このような選挙制度のもとでは特定の政党支持者の票を複数の候補で分け合うことになり、相対的に候補者個人の人気や信頼が有権者の投票行動に与える影響が大きくなります。 今回の参議院選挙でもそれを考慮して予測モデルを考えましたが、先述した新政権発足による民主党に対するクチコミの増加と他党の相対的なクチコミ減少により、政党の影響が結果に大きく影響してしまったと考えられます。

1人区における自民党の奮闘

今回の自民党の勝因は1人区(1名だけが当選する選挙区)をうまく抑え、 確実に候補者を当選させたことだと言われています。 全国区である比例代表では民主党のほうが多くの議席を獲得していることからも推察できますが、 今回の選挙を俯瞰的にみると民主党を支持している有権者も多く、 議席数ほどの大敗ではなかったと考えることができます。 選挙区における死票の多さ、都市部と地方の一票の格差などの影響が露骨に現れた結果であったため、 クチコミによる予想と実際の結果が一致しない結果になってしまいましたが、 決して民主党に関するクチコミのすべてが新政権発足による一過性の話題でなく、 一定数の支持者がいることを示すことはできたと考えています。

ネットの口コミによる予測の今後について
 

 前回の衆議院総選挙と比べて今回の参院選では大きく的中率を落としてしまったことは残念でした。ネットと選挙の関係が変わりゆく中で、過去のデータから未来を予測するのは大変難しい研究です。

 今回の参院選も含め、データと知見を蓄積し続けることでしか研究の発展はありません。今回の結果を糧にして予測精度の向上に努めてまいります。

 また、クチコミを利用した予測という手法は応用範囲が広く、ある程度口コミ数があり、予測したい指標の過去のデータがあれば予測モデルを作ることが出来ます。

 ホットリンクでは産学連携によるこうした研究活動を積極的に進めております。ネットの口コミデータを活用したいテーマがある、研究のデータとして利用したい等の考えをお持ちの企業や研究機関様からのご連絡をお待ちしております。